先月発売されたリングフィットアドベンチャーがブームの兆しを見せています。このまま本格的なブームに至り、Switchをさらに飛躍させることができるのか。Switchのライフサイクルが中盤に差し掛かった今、非常に注目です。
ブームの下地は整った
11/8日の段階では、ざっくり言ってこんな状況です。
- 静かな初動と落ちない二週目以降の売上
- 溢れる実況動画、口コミによる広がり
- 続出する売り切れ、横行する転売
静かな初動と落ちない二週目
初動が約6万、二週目と三週目もほぼ同数を売り上げており、普通ではない推移を見せています。任天堂のゲームは初週以降も継続的に伸びていくことが多いですが、二週目はだいたい初動の7割以下に落ちます。キワモノに見えて様子見していた人たちが、口コミやレビュー、動画等を見て次第に買い始めたのが見てとれます。溢れる実況動画、口コミによる広がり
配信との相性が良いことから、YouTuber、VTuberがこぞって動画や生配信をはじめています。ゲーム自体の物珍しさも手伝って、新規客を巻き込んで視聴者数が大幅に増えており、これがさらに実況を増やすことになっています。特にVTuberは、運動が画面にトレースして表示されることから普段希薄な存在感を補うことができ、言っちゃなんですが筋トレして大げさに苦しんでるだけで盛り上がるので、レッドオーシャンになるまでは美味しいネタだと思います。また、Amazonレビューは日本では珍しく絶賛で塗りつぶされており、SNSでの言及もかなり多いことから、客同士の情報伝達によって購買が広がっている様子が見て取れます。実際、私の適当なつぶやきも多少影響したのか、私のまわりでも直近でおじさんたちが5人ぐらい購入に向かいました😌
続出する売り切れ、横行する転売
こうして、ネット通販ではまたたく間に品切れとなり、あちこちで高額な転売が発生しはじめています。小規模店舗やイオン等では残っている店も多いようですが、手軽に買うことが難しくなり、店舗を巡る人が出てきています。この現象は、Switchがブームになった時とほぼ同じですね。期待される展開
今後期待される展開としては、次のようなものでしょうか。- 30〜50歳や女性といった、これまでリーチしていない層の購入
- これまで買ってもらえなかった家庭での購入許可が降りやすくなる
- 家庭内の需要増加で本体追加購入が見込まれる
- ドックセット等の周辺機器の売れ行きが増加する
現在のSwitch(国内約1000万台)は据え置き機として見れば非常に売れている部類ではありますが、3DSの携帯機シリーズ(約2500万台)を捨てた代償としてはまだ物足りない台数です。リングフィットアドベンチャーは、Switchの普及を3DSレベルまで引き上げる第二の起爆剤になる可能性があります。
リングのファブリック部分に汗が染み込む形になるため、取り外して洗濯もできるとはいえ、中古より新品を求める人も多いことが予想され、売上の下支えも期待されます。
死角・落とし穴
反面、いくつか死角・落とし穴も見えます。- カロリー消費ではなく適度な筋肉をつける筋トレ重視
- ゲームに慣れていない人は若干戸惑うユーザーインタフェース
- 本体が売れても他のゲームの売上にはつながらない可能性
また、ゲームに慣れていない人は若干わかりづらいユーザーインタフェースなのも確かです。このままではリタイア世代などが独力ではじめるのは難しいでしょう。特にアドベンチャーモード中のメニュー操作は不親切なので、アップデートでの改善が必要な部分と思います。
最後に、これはWiiFitの時からよく言われていたことですが、健康系の商品経由でゲーム機を買った人は、他にゲームを買わない傾向が強いです。本体の普及が進んでも、ゲームの売上は思ったほど増えていかない可能性は残ります。
ただ、これはおそらく任天堂は想定済みでしょう。だからこそ、ある程度普通のゲームが遊べるプラットフォームとしての認知を獲得できるこのタイミングまで、この商品をリリースしなかったのだと思います。
年末商戦以降の展開に期待
任天堂は年末商戦の売上比率が非常に高いため、ここで口コミの評判を広めつつ、年末までにうまく増産できれば爆発的なヒットになる可能性があります。うまくヒットにつなげられるのか、動向が気になりますね。
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